【研究ノート】バスタ新宿に入れ込みの高速バスにおける運賃箱のメーカー比率。
運賃箱とは、所謂「ワンマン機器」と呼ばれる輸送機器の一つで、ワンマン運転の路線バスには大抵取り付けられています。ただし、法律上現金の取り扱いが可能な運転手は路線バスの乗務員に限定されており、貸切バス等には付いておりません。また、貸切バスから路線バスに業態変更した旧ツアーバスやツーマン運行路線やガイド付き路線なども運賃箱は取り付けられていないのが現場です。
そこで先日、バスタ新宿にて、高速バス車両に搭載されている運賃箱のメーカーについて調査してきました。(昼行便4列シート車のみ)
調査結果は以下のようになりました。
JRバス東北:無し
JRバス関東:一水製作所
JRバステック:一水製作所
JR東海バス:一水製作所
西日本JRバス:無し
東京空港交通:無し
会津バス:
福島交通:小田原機器
京王バス:レシップ
西東京バス:レシップ
富士急バス:一水製作所
フジエクスプレス:一水製作所(江戸川・埼玉)/レシップ(芝浦)
日本中央バス:レシップ
群馬中央バス:一水製作所
山梨交通:一水製作所
アルピコ交通:一水製作所
信南交通:一水製作所
伊那バス:一水製作所
濃飛バス:一水製作所
おんたけ交通:一水製作所
東濃鉄道:一水製作所
西武観光バス:無し(一部のみ一水製作所)
京成バス:一水製作所
日東交通:一水製作所
小湊鉄道:小田原機器
小田急ハイウェイバス:一水製作所
東海バス:レシップ
しずてつジャストライン:一水製作所
圧倒的に一水製作所のシェアが多かったのが印象的です。
一水製作所というのはどんな会社かというと、東京都北区に本社を構える交通系のデータ通信機器を製造しているメーカーで、バスの車内で使用された交通系ICカードの利用実績を集計して、Suicaや PASMOのメインサーバーに反映させるシステムを制作している会社といえばわかるかもしれません。
その一水製作所製の運賃箱は、高速バス専用に特化していて、一般の路線バスではまず必要とされない高額紙幣やクレジットカードに対応し、QRコードリーダーやGPS機能、レシート印刷機が内蔵されており、さらには他社の乗車券販売システムと常時リンクして座席の販売も可能というハイスペック運賃箱です。ちなみに、金額は一台あたり、およそ150万円程だそうです。
(↑ 座席販売システムとリンクさせて、現在の販売状況を表示 元同僚より提供)
一方で京王バスや小湊鐵道は一般路線バスと同じ運賃箱が搭載されていました。小湊鐵道の車両には他に整理券やICカードリーダーが設置されていたので、変動運賃に対応する為に、あえてこの様にしたのかもしれません。あとは金庫精算機は事務所内でかなり場所をとるので、一般路線バスと高速バスを同じメーカーにして省スペース化をしたのでしょう。
いずれにせよ、運賃箱業界で高速バス専門というニッチ部門を独占する一水製作所、これからも応援していきます。